「とこや」という名の床屋です。 略して「TK」・・・って・・・略してるか?
床屋が一瞬出てくる小話、
CIA捜査員の一人が行方不明になった。そこで最も優秀なスパイ・ハンターの 一人が呼ばれた。CIAのボスは彼にこう説明する。 「その男の名はマーフィーで、アイルランドのどこかにいる。 私が知っているのはこれだけだ。 もし見つけたと思ったら合い言葉を使ってみろ。 『天気予報だと、朝は霧だ』と言うんだ。もし相手が当人なら、 『ああ、それに、お昼も霧だ』と返すはずだ。」
スパイ・ハンターはさっそくアイルランドに行き、小さい町の酒場に入った。 そしてバーテンに聞き込みをした。 「あんたなら分かるかなあ。マーフィーという男を探しているんだが」
バーテンが答えた。 「もっと詳しくなくちゃ。なぜならこの辺はマーフィーっていう名前ばかりさ。 隣のブロックに店がある床屋のマーフィーがいるし、ここの銀行の頭取を している銀行家のマーフィー、厩で働いてる鍛冶屋のマーフィーもいる。 それに何を隠そう、ぼくの名もマーフィーでね」
これを聞いたスパイ・ハンターは合言葉を試してみることにした。 「天気予報だと、朝は霧だ」
バーテンが答えた。 「ああ、あんたが探してるのは、スパイのマーフィーか。 彼なら、この通りの先に住んでるよ」
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