文学や作家、言葉に関するエッセイ。 中でもおもしろかったのがシンデレラにまつわるエピソード。 「シンデレラ」はピロー童話集の中のひとつで、明治には日本へも伝わってきていた。 それを文豪・坪内逍遥が小学校の国語の教科書に日本バージョンにアレンジして、載せたのだが・・・タイトルが「おしん物語」。 シンデレラの「シン」を採ったらしい。 そして、極めつけのアレンジは、終盤のクライマックス・・・意地悪なお姉さんはガラスの靴を履けないのだが、シンデレラにはぴったりとフィットして王子と結婚・・・めでたし、めでたし・・となる場面、 この当時、一般的に靴は普及してなく、ましてや「おしん」が履くはずはない。 だからと言って、下駄や草履じゃあ、ゆる過ぎて、誰でも履けてしまう。
そこで、どのようにアレンジしたかと言うと・・・お城に扇を落として忘れたことにしたのである。
さて、それがおしん探しとどう結びつくのか・・・・?????
お城よりの使者が、扇を閉じたまま、こう質問する・・・「図柄は何か?」、 中の図柄を知っているのはおしんのみ・・・というわけでハッピーエンドへと向かうのだそうです。
ガラスの靴のほうが、ロマンチックだけど、このアレンジも味がありますねえ・・。
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