2011年06月06日の日記

日本語を書く作法・読む作法 阿刀田 高

文学や作家、言葉に関するエッセイ。
中でもおもしろかったのがシンデレラにまつわるエピソード。
「シンデレラ」はピロー童話集の中のひとつで、明治には日本へも伝わってきていた。
それを文豪・坪内逍遥が小学校の国語の教科書に日本バージョンにアレンジして、載せたのだが・・・タイトルが「おしん物語」。
シンデレラの「シン」を採ったらしい。
そして、極めつけのアレンジは、終盤のクライマックス・・・意地悪なお姉さんはガラスの靴を履けないのだが、シンデレラにはぴったりとフィットして王子と結婚・・・めでたし、めでたし・・となる場面、
この当時、一般的に靴は普及してなく、ましてや「おしん」が履くはずはない。
だからと言って、下駄や草履じゃあ、ゆる過ぎて、誰でも履けてしまう。

そこで、どのようにアレンジしたかと言うと・・・お城に扇を落として忘れたことにしたのである。

さて、それがおしん探しとどう結びつくのか・・・・?????

お城よりの使者が、扇を閉じたまま、こう質問する・・・「図柄は何か?」、
中の図柄を知っているのはおしんのみ・・・というわけでハッピーエンドへと向かうのだそうです。

ガラスの靴のほうが、ロマンチックだけど、このアレンジも味がありますねえ・・。




2011年06月06日(月)   No.892 (歩日の風景)

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